実証フィールド Demonstration Field
アグリテックの社会実装には、現場での活用方法の確立が不可欠です。アグリノーム研究所では、2つの実証フィールドを自ら持つことで、アグリテックの実証と活用方法の確立を加速するサポートを行っています。
現在所有している
実証フィールド
上尾アグリロボットフィールド
露地での実証を見据えて、埼玉県上尾市に2021年に開設しました。現在は、リモートセンシング機器のKAKAXIでの圃場観測や、アグリテックベンチャーの資材の小規模実証を進めています。
上尾アグリロボットフィールド概要
- 所在:埼玉県上尾市
- 面積:約1a
- 設備:KAKAXI(リモートセンシング機器)
アグリガレージ
東京都墨田区にある本施設内には、植物工場と食品の粉末加工の設備を導入しています(*)。植物工場を活用した比較試験や、小ロットの食品の粉末加工試作が可能で、共同研究や受託サービスを展開しています。本施設を活用し、すみだ野菜の生産も行っています。
*本設備は、新ものづくり創出拠点整備補助金を活用しています。新ものづくり創出拠点整備補助金とは、墨田区内の空き工場の再生を図るとともに、外部からの人材と区内事業者が連携しながら新しい製品、技術、サービスなどを創出するための場を整備するための事業です。
ご相談可能な内容の例
- 植物工場や栽培技術に関する調査・試験のご相談
- 栽培手法による栄養価への影響の評価に関するご相談
- 試作機や開発機器の小規模ラボスケール実証のご相談
- 栽培した作物の粉末加工・製品化に関するご相談
すみだ野菜
すみだ野菜はアグリガレージ内の植物工場で生産される野菜です。生野菜の提供だけでなく、植物工場に併設された乾燥粉末加工施設を活用して野菜の乾燥粉末を製造しており、種子からパッケージングまで全工程がこの施設で行われています。これら粉末を使ったすみだ野菜スイーツは、2016年にすみだモダン ブランド認証を受けています。
油田カフェ
アグリガレージに隣接したカフェ。共同ですみだ野菜を使ったスイーツなどの商品開発を行っています。
益田実証ファーム
日本の牛肉生産は海外からの穀物飼料の輸入によって成り立っていますが、近年この飼料価格が高騰しており、国内の牛肉生産農家の経営は逼迫しています。そこで我々は、地方で課題となっている耕作放棄地や放棄山林などを活用し、低コストで成り立つ新たな牛肉生産システム(山林畜産)を構築するために島根県益田市に実証フィールドを2020年に開設、研究を進めてきました。
本ファームでは、耕作放棄地に母牛2頭を牛舎のない状態で放牧、繁殖も行い2年間で3頭の仔牛の出産に成功しました。また生まれた仔牛は、弊社取締役で鹿児島大学の後藤貴文氏の代謝インプリンティングを施し研究を進めました。
益田実証ファーム概要
- 所在:島根県益田市
- 面積:10,938m2(約1ha)
- 設備:スタンチョン、水飲み場、電柵、KAKAXI(リモートセンシング機器)
- 放牧牛の頭数:母牛2頭(黒毛和種・雌)、仔牛1頭(黒毛和種・雌)
- 運営期間:2020年6月〜2022年6月
-
運営体制
運営:株式会社リバネス、株式会社アグリノーム研究所
監修:鹿児島大学、京村牧場、松永牧場、益田大動物診療所
益田実証ファームの開設に向けた整備
益田の方々との協力を得て、耕作放棄地だった場所を2019年8月から整備を始め、2020年6月より母牛2頭の放牧を開始した。日々の管理を益田で牛飼いをされていた方にご協力いただいた。
益田実証ファームの開設に向けた整備
雑草は、放牧後2ヶ月でぼほなくなりノバラやススキなどの固く、嗜好性の悪い草が残った。1年半が経過して草の種類も変化していた。
代謝インプリンティングの取り組み
ファーム内で生まれた仔牛に代謝インプリンティングを施した。松永牧場にご協力いただき、高タンパク飼料を3ヶ月間与えた後にファームへ再び戻し放牧した。